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ドクターコラム
スポーツプレックス提携のドクターが、お届けする、医療面からのコラムです。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を知ってますか?(2)

NASHは脂肪肝と非常に関係の深い疾患です。
米国の調査では脂肪肝と診断された症例の約1割くらいがNASHであろうと言われています。日本においては残念ながら全国規模の調査は未だ行われておらずはっきりしたデータがありません。
しかし、NASHの原因として肥満の存在が重要であることについては研究者の間で意見の一致をみています。

そもそも脂肪肝の悪性ケースがNASHですから、脂肪肝と関連の深い肥満がNASHの背景に存在することは当たり前といえば当たり前でしょう。では肥っていればNASHになるのでしょうか?
肥満はたしかにNASHのリスクになりますが、肥満の中でも内臓脂肪の蓄積を伴うケースが危険であるという報告が最近多く見られます。“内臓脂肪”?? 最近良く耳にしますね。そうです。メタボリックシンドロームの診断において重要な役割を演じているのが内臓脂肪でした。

今回のコラムを読まれて、“なんで運動と関係ないような肝臓の病気の話なのだろう?”と疑問を持った方もいらしたかと思います。しかし、ここでお分 かりいただけたように、NASHはメタボリックシンドロームと同居する可能性がとても高い疾患であり、両者は互いに近い関係にあるのです。
メタボリックシンドロームの症例に脂肪肝が合併することは、すでに多くの学者が気付いていました。しかし、その診断基準をみてもわかるように、メタボリッ クシンドロームでは、高血圧や糖尿病、高脂血症が問題視されて、脂肪肝やNASHに関してはあまり話題となりませんでした。
これはメタボリックシンドロームを今まで研究して来た学者たちが、糖代謝や脂質代謝など代謝学を専門とするフィールドの人達であったためとも思われますし、また、脂肪肝自体は生命予後(寿命)に大きな影響はないだろうと考えられていたことも影響しているでしょう。

しかし、NASHの病態がだんだんと明らかになり、肝硬→肝臓癌となる可能性が示されたことや、メタボリックシンドロームとの深い関係が明らかになってきたことで考え方は大きく変わりつつあります。
メタボリックシンドロームと並び、NASHは重要な生活習慣病として注目されて来ました。

次回のコラムではNASH対策について述べたいと思います。

石田浩之(いしだひろゆき) 慶應義塾大学病院 スポーツクリニック助手 医学博士

日本臨床スポーツ医学会評議員
日本肥満学会会員
米国スポーツ医学会会員
欧州スポーツ医学会会員

経歴  
1987年 慶應義塾大学医学部卒 
同内科、老年科を経て1995年より現職 
生活習慣病や動脈硬化危険因子に対する運動療法が専門。

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