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ドクターコラム
スポーツプレックス提携のドクターが、お届けする、医療面からのコラムです。
メタボリックシンドロームについて(3)

今回はメタボリックシンドロームの治療についてです。その前に、もう一度メタボリックシンドロームの原因について考えてみましょう。日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準では“ウエスト径、男性85cm以上、女性90cm以上(おへその高さで測定)”が必須項目として挙げられています。これはいったいどのようなことを意味するのでしょうか?

日本では診断基準を作成するにあたって、メタボリックシンドロームの発症には “内臓脂肪の蓄積”を重要であるという立場をとってきました。つまり、内臓に脂肪が蓄積することが、発症の根本的原因であるという考えです。内臓脂肪の蓄積量はCTスキャンという検査で調べることが出来ますが、そう簡単に何処でもできる検査ではありません。そこで、もっと簡便な方法で内臓脂肪の量を評価できないかといろいろと調べた結果、ウエスト径が内臓脂肪量を良く反映することがわかりました。

現在、CTスキャンで調べた内臓脂肪面積が100平方センチを超えた場合、内臓脂肪が付き過ぎと判断しますが、この100平方センチに相当するウエスト系が、日本人の場合、男性で85cm、女性で90cmだったのです。したがって、メタボリックシンドローム治療戦略としては、この“ウエスト径”を如何に減らすかがポイントとなります。

ウエスト径を減らすこと=減量ですが、体重が変わらなくてもウエストが締ってくることは珍しくありません。特に運動を続けた場合、内臓脂肪は減り、筋肉量が増えるため、体重は変わらないもののウエスト径が小さくなることはしばしば経験されます。残念ながら内臓脂肪だけを選択的に減らすことはできません(内臓脂肪の部分痩せはできないということ)。しかし、幸いなことに、内臓脂肪は皮下脂肪に比べ生物学的活性が高く、運動や食事療法に反応しやすいといわれるので、オーソドックスに食事療法と運動療法を継続することで内臓脂肪減少が期待できるのです。現在、メタボリックシンドローム改善のための運動は、 1週間あたり1200kcal程度のエネルギー消費量が目安とされています。次回のコラムでは、この点についてもう少し詳しく解説してゆきましょう。

石田浩之(いしだひろゆき) 慶應義塾大学病院 スポーツクリニック助手 医学博士

日本臨床スポーツ医学会評議員
日本肥満学会会員
米国スポーツ医学会会員
欧州スポーツ医学会会員

経歴  
1987年 慶應義塾大学医学部卒 
同内科、老年科を経て1995年より現職 
生活習慣病や動脈硬化危険因子に対する運動療法が専門。

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