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スポーツプレックス提携のドクターが、お届けする、医療面からのコラムです。
運動は本当に健康によいのか?
運動が健康に良いことはヒポクラテスの時代から知られ、今日でも誰しもが認めるところです。健康と運動に密接な関連があることは直感的には理解できますが、いったいどの程度科学的に証明されているのでしょうか。運動が疾病予防に役立つことを最初に科学論文として報告したのはイギリスの学者でした。時代は1950年代に遡ります。当時からロンドンでは2階建てバスが運行していました。1階と2階を行き来して、仕事中頻繁に動く機会がある車掌と、ずっと座り続けの運転手を比較してみると、車掌の方が心筋梗塞など心臓病の発生率が少ないことがわかりました。普段から積極的に身体を動かしていることが、心臓病に対して予防効果があることが証明されたのです。これをきっかけに運動と健康に関する研究が数多く行われ、そのほとんどで運動の有用性が認められています。ロンドンバスの研究にあるように、初期の研究は仕事での身体活動量の違いに注目したものが多かったのですが(例えば、肉体労働者と内勤者の比較)、近代社会になって仕事での活動量に大きな差がなくなったため、近年の研究では余暇の時間の活動量と健康指標の関連を調べたものが多くなっているのが特徴です。すなわち、週末や仕事の後の時間を利用してどのくらい運動をしているか?その違いがどのように健康状態に影響しているか?を検討しようとしているのです。運動が健康に関する科学的証拠(エビデンス)を知ることは、運動を始める動機付けとして大変重要です。次回から何回かにわたってそのエビデンスを紹介してゆきましょう。
石田浩之(いしだひろゆき) 慶應義塾大学病院 スポーツクリニック助手 医学博士
日本臨床スポーツ医学会評議員
日本肥満学会会員
米国スポーツ医学会会員
欧州スポーツ医学会会員
経歴
1987年 慶應義塾大学医学部卒
同内科、老年科を経て1995年より現職
生活習慣病や動脈硬化危険因子に対する運動療法が専門。